ダイアローグ 対話する組織
皆さんは、日々の業務をどのように遂行しているだろうか。
私自身は、その日のタスクを書き出し、時間配分の目安を決め、
時にタイムアタック的に集中し、時に誰かと相対して意見をうかがう。
いわゆるレビューをしてもらう。
そうした、第三者的意見をいつでも受け入れることができるような
環境を作っておくことに配慮をしたいと考えている。
(これが意外と我の強い人間なので時に心の中で反発してしまう時もあるのだが)
そんな書き出しをしながら、表題の書籍について、書き留めておく。
書籍自体の目次ではなく、私個人の表現となるが、ポイントは以下3つと捉えた。
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1.一方的な「伝達」と、枝葉まで伝達完了したかの確認、だけでは誰も育たない
2.組織の理念を受け入れた後、自分の意見を自然と表現できる環境こそ、人が育つ環境
3.自分の意見を自然と表現するには、自分が属する組織以外の、公の場(第三の場)を練習場所として利用するとよい
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またまた中原淳先生の書籍なのだが、注釈に面白い一節があった。1から3に入る前に、抜粋。
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「教育業界には、「這い回る経験主義」という言葉があります。学習者の「体験」や「経験」を重視した教育を行ってしまうと、振り返りやまとめの時間をとることができず、結果として得たものが身につかないことを揶揄した言葉です。・・・」
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「教育学者の上田信行先生(同志社女子大学)、佐藤優香先生(国立歴史民俗博物館)は、「学習における振り返りの重要性」について、イタリア料理をメタファに面白い指摘をなさっています。・・・イタリア料理において、ドルチェがこれほど長い意味は、リフレクション(reflection:内省)の時間をゆっくり確保するためなのだそうです。・・・」
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・・・振り返り、を十分に行うためには、どうすればよいでしょうか?
効率的に行うためには、どうすればよいでしょうか?
さて。
1.一方的な「伝達」と、枝葉まで伝達完了したかの確認、だけでは誰も育たない
⇒ 高度経済成長期、バブル期までは、一企業に属してその組織内の理念、
働き方や価値観を右に倣えで実行していくことがお決まりであった。
(少し乱暴な表現ではあるかもしれないが)
しかし、現在は、企業の理念や営業方針をトップダウンで下すだけでは、
納得感を持って業務に励むことができない人がほとんどのように思われる。
それはなぜか、という点は割愛するが、そんな場合は、
一方向のコミュニケーションとならないような工夫が必要だ。
それが、「ダイアローグ」、互いのバックグラウンドを認め合い、
リラックスした状態で相手の意見を聞き、それに対する自分の意見を
伝えることができる。逆も然り。お互いの立場を認識した上で、話を
前に進めることができるコミュニケーションが重要。
そういた環境づくりと、数字だけでは動けない場合の対処も必要。
相手が何を組織に求めているか、極論、組織に求めるものがなければ、
個人として何を求めているのか引き出すことが大事だと感じた。
(その組織内でその個人1人1人が満足できるものを提供できるかは別の話ではあるが)
2.組織の理念を受け入れた後、自分の意見を自然と表現できる環境こそ、人が育つ環境
⇒ 環境づくりが非常に重要。単にトップからのメッセージが伝わったか、
という点を確認するだけでなく、メンバーの意見、ひいては自分の意見を
交換しつつ、トップにフィードバックできるマネージャーになれると素敵。
と感じた。
企業研修の中で比較的リラックスした状態で意見できると良いが、
必ずしもそういう人ばかりではない。
やはり1人1人と対話することに意味が大きいと感じる。
3.自分の意見を自然と表現するには、自分が属する組織以外の、公の場(第三の場)を練習場所として利用するとよい
⇒ 最初から、リラックスして上司や、同僚にさえ、自分の意見を出すことが
できる人ばかりではないと考える(自分がそうだったので)。
なので、自分が属する組織以外だと確かに始めやすいが、
ある程度慣れているのなら、組織内で有志をつのっても構わない。
「ダイアローグ」ができるためには、緊張感を持ったテーマで、
お互いを尊重し合いつつも、リラックスできる空気が必要だ。
”生産性を高めるために心掛けている仕事術”というテーマなどであれば、
話はしやすいのではないか。
つらつら書いたが、結局は、「ダイアローグ」の最たる効果は、
「自分が気づいていなかった視点に気づくきっかけとなる」
⇒ 新しい問題、イシューの扉をひらく
⇒ 自分だけでなく、人と協力して問題解決を効率的に進めることができる、
といった点が最も大きいと思う。
同時に、さきほど抜粋した、「内省」「振り返り」という時間をとることで、
より大きな効果を出すことができるのではと考える。
社内SNSや、社内外の勉強会など、色々な場を活用して、
実験してみようと思う。
この本は、あんまり売りたくないなあ。
しばらくしてから、また読もう。
以上。