funkasticsym567’s diary

書評中心に雑感を記載します。自分のアウトプット実験場の一つです。

地球全体を幸福にする経済学 - 過密化する世界とグローバルゴール -

2009年7月発行の書で、刊行当初に購入していたものの、
完全なる積読状態で保管されていた。

 

地球全体を幸福にする経済学―過密化する世界とグローバル・ゴール

地球全体を幸福にする経済学―過密化する世界とグローバル・ゴール

 

 


ようやく読んだので、記載しておく。

本書の要点は以下と考える。

1.現在の地球が抱える問題点を認識しよう!
   ・環境破壊の問題(不要な森林伐採地球温暖化、水不足、水産物の乱獲問題など)
   ・人口増加の問題(食糧不足、貧困問題、特にアフリカ諸国に対する医療対策普及問題など)
   ・地球規模の協力が進んでいない現状(地球全体を幸福にするには、予算が足りない。にもかかわらず、政府として、国を超えた協力を為す先進国が無い状態である)

2.楽観的かもしれないが、問題解決は可能である!
   ・関係各所の協力関係を確立すれば、先に挙げた問題は解決する可能性が高い
   ・単純に技術者の革新、発明を待つだけではダメ(資源の効率的な取得技術の革新などだけでは根本解決にはならない)
   ・持続的な環境をつくるための(例えば)”資源節約”的な取り組みも必用
   ・人口増加問題と関連して、貧困の罠を終わりにしよう!
   ・ポイントはアフリカ諸国である。HIVジェネリック医薬品の普及が、インドで進んだように、アフリカでもマラリアの感染率低下に向けた取り組みなど、
    人口増加につながる今までの慣習を変えていくべく、政府、民間企業、
    NGOなど多数の団体で具体的なプランの検討&実行を進めることで、
    変えることが可能である!



3.地球規模の問題に対応していくには、圧倒的に、予算が足りない。
  従って、皆で協力が必要。
   ・問題を抱える各国がどの世界基金に頼るかをまずは認識すべき。
   ・貧困、病気、気候、エネルギーシステム、人口問題などに関する、世界全体が必要としている資金は毎年数千億ドルであるが、
    世界最大の民間財団であるゲイツ財団でも、年間20億ドルから30億ドルほどの出資にとどまる。
    (当然かもしれないが、ことは1つの民間財団が抱えることが可能な規模を超えている。)
   ・問題解決のための具体的なプロセスが見えれば、想定する予算より低い金額規模での対応と解決が可能かもしれない。

 

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個人的に、読みながら想像した内容は以下。

▼視点
 ・ 世界レベルの問題解決のためには、政府・民間企業・NGO等の団体、そして専門家集団(本件だと経済学者が中心になるのか?)の協業が欠かせない。
 ・ 仮に、1つのコンサルティングファームが、地球全体を幸福にするプロジェクトにPMOとして加わるなら、どんなWBSを引いて、スケジュールして、関係各位をマネジメントしていくのだろうか?とぼんやり考えてみた。

▼以下の点が、単純なプロジェクトとは異なる点
 ・ 登場人物の多さ
 ・ プロジェクトに関係する人物の関係図と階層の分析が難しくなりそう
 ・ 金額(予算はどこからとってくるか)
 ・ イニシアチブをとる団体が1つに絞りこまれない可能性が高い
   (例えば、政府の関係筋だけがすべてを掌握するとは限らないだろう)
 ・ プロジェクトの進捗や会議体など、大きすぎて効率的な進め方が難しい可能性がある
   (昨今のインフラの発達を考えれば杞憂かもしれないが、温度感がうまく伝わらないことはままあるだろう。)

 

▼プロジェクトとして、おそらく普遍的な点
 ・ 各登場人物は論理よりも結局は感情で揺さぶられるケースもある
 ・ とりあえずやってみようアプローチ
 ・ キーマンを握る(複数団体のキーマンすべてを握るのは大変だろうが)
 ・ 金策の困難さ(スケールが違うのでここは気張らないといかん)
 ・ 利害関係調整(代替案と説得の繰り返し)
 ・ ロビイング(政府筋に対する調整は、日本でいう官公庁系プロジェクトでも共通であろう。スケールが違うといえばそうだが、やるべきことは似通っているはず。)


  いわゆる、超高難易度プロジェクトであろうが、
  これを回せたらすごいことだと改めて思う。

 

定期的に、よりマクロ的な視点で思考する時間を設けるべし。
普段の自分自身の仕事が、世界に貢献できる可能性はゼロでは無いと思う。

 

以上。