世界同時バランスシート不況
- 作者: リチャードクー,村山昇作,Richard C. Koo
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
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非常に読みやすい文だった。
金融・財政の基本的な知識があるとよりわかりやすいと思う。
リチャード・クー氏のいう"バランスシート不況"とは、
バブル崩壊により悪化したバランスシートを改善するために
民間は必死になる。そのため、消費が減り経済が停滞し不況となる。
これが悪循環となれば不況はいつ脱出できるかわからない。
しかしその不況を克服するために財政政策がある。
民間が借金返済に集中しなければならないときは、
民間が努力して返済した借金と、持つものたちの貯蓄を"政府"が
借りて使用する。
そうすることによって経済の停滞を防ぎ、
結果としてGDPを維持し、民間の財力回復後に、
政府が財政赤字を減らす。
そのような順番でいくことこそ合理的であり、
実は日本が上記のような道をたどってきていたそうだ。
この本を読むまで知らなかったのだが、
日本では過去のバブル崩壊により87%も資産価格が下がった。
しかし、それでもGDPが下がらなかったという。
この事実は何をかいわんや。
それだけでリチャード・クー氏の議論は大いに傾聴するに足る。
第3部の村山昇作氏とリチャード・クー氏の対談もたいへん興味深い。
バランスシート不況を語るエコノミストと実際に経営者としてバランスシート不況を感じ金融・経済を語る元エコノミストの対談。
さて、我々は如何にするべきか。
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